専門医療機関でのCT検査の結果からSAPHO症候群の精査を行った顎関節症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Detailed Examination for SAPHO Syndrome Based on CT Findings at the Specialized Medical Institution in a Patient with Temporomandibular Disorder: A Case Report

この論文をさがす

説明

症例の概要:患者は56歳女性(主婦).「かみ合わせが悪い,話をしているとあごが痛い」という主訴にて,2014年12月に当院を受診した.診察と検査によって両側顎関節症と診断した.治療を進め,顎関節部の症状は改善したが,下顎右側の疼痛を訴えたため,専門医療機関にてCT検査を行った.その結果,下顎骨の硬化像を認め,慢性硬化性骨髄炎が疑われ,SAPHO症候群の精査も勧められた.その後,某大学病院膠原病・リウマチ内科にて全身の精査を行なった.身体所見,骨シンチ画像所見(胸骨柄周囲を含め,全身の骨に明らかな異常集積はなし)より,SAPHO症候群は否定された.現在,顎関節部の症状は安定しているが,歯科治療を行いながら経過観察中である.<br>考察:顎関節症はその診察,検査および初期治療への反応やパノラマX線写真等から典型な顎関節症ではないと判断した場合は,積極的にMRIやCT検査を依頼することが必要である.それによって適切な鑑別診断や併存疾患を見つけることに繋がる可能性がある.しかしながら,高次医療機関へ紹介する場合は,患者の自覚症状と他覚所見,特に画像を自分自身でも読影し,画像読影医とも相談検討した上で行う必要性も示唆された.<br>結論:今回われわれは,かみ合わせの悪さと会話時のあごの痛みを主訴として来院した患者にMRIとCT検査を行った.それによってSAPHO症候群の精査を勧められた症例を経験した.

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ