補綴歯科治療における材料と生体組織とのインターフェイス

  • 塙 隆夫
    東京医科歯科大学生体材料工学研究所金属生体材料学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Interface between materials and living tissue in prosthodontic dentistry
  • 補綴歯科治療における材料と生体組織とのインターフェイス : 材料-生体組織インターフェイス
  • ホテツ シカ チリョウ ニ オケル ザイリョウ ト セイタイ ソシキ ト ノ インターフェイス : ザイリョウ-セイタイ ソシキ インターフェイス
  • (材料―生体組織インターフェイス)

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抄録

固体表面と生体組織との非生物-生物界面は,明瞭な物質輸送を妨げ生体機能の伝達を阻害するものとなりやすい.そのため,この明瞭な界面を,不明瞭な,傾斜的な,物質輸送が可能な,生体機能を伝達する界面とするために多くの研究が行われている.チタンを骨組織に埋入すると,他の金属材料よりも早期にその周囲に骨組織が密着して形成し,骨との結合も強いことが明らかであり,金属材料の中では最も硬組織適合性に優れる.チタンの組織適合性を向上させるために表面処理が研究されているが,そのほとんどが,骨形成・骨接合,つまり硬組織適合性改善のためのものである.歯科インプラント体で現在実用化されている表面処理は,粗い表面を造るものが主力であり,生体機能分子を固定化するものは,実用化の目途すら立っていない状態である.材料のキャラクタリゼーションを十分にせず,また生物学的評価の結果と材料の性質との関係を議論することなく材料の性能を改善することはできないし,材料や表面処理・改質層の安全性,耐久性,保存性などの評価なしに実用化することはできない.

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参考文献 (12)*注記

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