Sipple症候群の1治験例

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  • A CASE OF SIPPLE SYNDROME
  • Sipple ショウコウグン ノ 1 チケンレイ

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抄録

甲状腺髄様癌と副腎褐色細胞腫の合併したいわゆるSipple症候群はMEN (Multiple Endocrine Neoplasia)に属し,そのtype 2aとされている. MENは遺伝子の異常によってAPUD系に属する何種類かの細胞が腫瘍化したものと考えられている.その為, Sipple症候群は単に臨床的に重要であるのみならず,組織発生の面や内分泌学的にも興味深い疾患である.最近我々の経験した本邦28例目と考えられるSipple症候群の1例を報告する.<br>症例は, 30歳の女性で,主訴は発作性の心悸亢進及び頭痛, 3年前より同症状を訴え,発作時の高血圧を指摘されている.頚部腫瘤は6年前より認めている. catecholamineの定量,腎動静脈造影などにより褐色細胞腫が,血中calcitonin, CEA,頚部レ線による石灰化,針生検などにより甲状腺髄様癌が診断されている.まず副腎亜全摘を行い,ついで甲状腺全摘及びmodified neck dissectionを行った.術後経過は良好である.<br>本症例の組織に電顕的検討を加えると共に若干の考察を行った.

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