胃の非上皮性悪性腫瘍14例の検討

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タイトル別名
  • A STUDY ON 14 CASES OF MALIGNANT NON-EPITHELIAL TUMORS OF THE STOMACH
  • イ ノ ヒ ジョウヒセイ アクセイ シュヨウ 14レイ ノ ケントウ

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説明

1975年より1980年までの6年間に当教室にて経験した胃の非上皮性悪性腫瘍は14例で,同期間に手術された胃悪性腫瘍603例の2.3%に当たる.<br> 病理組織学的分類では,平滑筋肉腫3例,悪性リンパ腫11例で,後者はHodgkin病3例, Non-Hodgkinリンパ腫8例に分類される. Non-Hodgkinリンパ腫はlymphocytic 4例histiocytic 4例に細分される.<br> 自覚症状は心窩部不快感などの消化性潰瘍症状が最も多く,ついで体重減少,悪心嘔吐が認められる,悪性リンパ腫では,比較的早期より症状が現われ,平滑筋肉腫では症状の出現時期が遅い傾向が認められる.<br> 術前診断の正診率をX線,内視鏡別にみると, X線21%,内視鏡50%と低値である.内視鏡所見は辺縁不規則な多発性潰瘍,周辺粘膜の浮腫状隆起が特徴的であり,これに適正な生検,細胞診を併用すれば今後正診率の向上が期待出来ると考える.<br> 切除標本の検討では,占居部位は平滑筋肉腫はCに多く,悪性リンパ腫はMA, CMAなどの応範囲に多く認められる.腫瘤の大きさは,平滑筋肉腫は10cm以上の巨大例が多く,悪性リンパ腫は種々の大きさで一定の傾向は認められない. 10cm以上の巨大腫瘤形成例は7例中5例が5カ月以内に死亡している.<br> 予後は死亡例が6例で手術直接死亡が2例含まれ, 3生率は3例, 21%である.生存8例中7例にVEMP, Endoxanなどの補助化学療法が術後施行され,これらは延命に役立つものと考える.

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