原発性アルドステロン症-病理組織学的分類と局在診断ならびに手術成績との関係について

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タイトル別名
  • PRIMARY ALDOSTERONISM RELATIONS BETWEEN PATHOLOGICAL FINDINGS AND LOCALIZATION OF THE TUMOR AND FOLLOW-UP RESULTS
  • ゲンパツセイ アルドステロンショウ ビョウリ ソシキガクテキ ブンルイ ト キ

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抄録

原発性アルドステロン症の手術に際して副腎腫瘍の局在診断が必要であるが,その方法の評価には一定の見解が得られていないのが現状である.我々は以前,本疾患の病態診断が必ずしも病理組織所見を反映していないことを指摘したが,今回,病理組織所見と腫瘍の局在性並びに術後遠隔成績との関係を検討し,以下の成績を得た.<br> (1) 副腎腫瘍の局在診断に関しては,ヨードコレステロールによる副腎シンチグラフィーが最も信頼性が高かった.副腎静脈血サンプリングによるアルドステロン測定のみでは不確実であったが,これをコーチゾール値で補正したA/C比はかなり信頼性が高いと考えられた.副腎静脈造影やCTは不十分であった.これらの局在診断法は,主腫瘤以外のnodular hyperplasiaの局在までは判定不可能であった.<br> (2) 手術後の遠隔成績に関しては,平均follow-up期間が12年余りの腺腫群では良好であったが,腺腫以外にも結節性過形成が多発していた症例などでは術後も愁訴がみられた.<br> 以上から,従来の腫瘍局在診断法では腺腫以外の副腎の病変の局在を診断することは無理であること,しかしながら術後のきめ細かいfollow-upを行う上で腺腫以外の病変も的確に診断することが重要であることが判明した.

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