早期胃癌のリンパ節郭清と手術成績

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タイトル別名
  • RETROSPECTIVE STUDY ON THE EFFECT OF LYMPHNODE-DISSECTION FOR THE EARLY GASTRIC CARCINOMA
  • ソウキ イガン ノ リンパセツ カクセイ ト シュジュツ セイセキ

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説明

早期胃癌手術259例を胃癌取扱い規約に沿ってリンパ節郭清程度別に分けて手術成績を検討したが, R2が22.4%R2+12・13番郭清が39.0%R3が30.9%でこの3つの群の症例が多かった.<br> 術死,他病死はR2で1.7%と3.4%で, R2+12・13の3.0%と5.9%やR3の5.0%と11.3%より低かったが,再発死は1.7%, 2.0%, 2.5%と3者間で差はなかった.<br> 郭清程度の差は,術中の肉眼的リンパ節転移程度と癌の占居部位に左右されており,原則としてN(-)にはR2手術, N1(+)で下部癌ではR2+12・13, 上中部癌ではR2を, N2(+)は下部癌ではR2+12・13郭清,中部癌ではR3 手術が主におこなわれていた.<br> これらの結果5例(1・9%)の再発死亡例をみたが,リンパ節郭清不足によると考えられるものはほとんどなく,再発は多発胃癌巣によるものと考えられた,<br> 粘膜内癌(m)でリンパ節転移陽性例は5例あり,全例が組織学的にみて粘膜筋板の破壊像および粘膜下層のFibrosisが著明であった.<br> 下部癌で単独に8番へ転移した例も含めて2群リンパ節転移陽性の7例と3群陽性の1例の合計8例はR3手術がおこなわれており再発例はなかった.<br> 早期胃癌は上述の方法に従ってリンパ節郭清を確実におこなっておけぽ,リンパ節遺残による再発例は稀であると考えるが, 4~5%あるといわれる多発癌の片方が残胃に存在して再発となる危険が常にある事を念頭において,残す胃粘膜の術前精査と,術後の管理をきめ細かくおこなう必要がある.

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