予後的漿膜面因子陰性胃癌の臨床病理学的検討

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タイトル別名
  • CLINICOPATHOLOGICAL STUDIES OF GASTRIC CARICINOMA WITH NEGATIVE “PROGNOSTIC SEROSAL INVASION”
  • ヨゴテキ ショウ マク メン インシ インセイ イガン ノ リンショウ ビョウ

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抄録

胃癌進行度分類における4因子のなかでも重要な漿膜浸潤において, stage Iを規定する予後的漿膜面因子陰性ps(-)の均一性の有無をみるため,治癒切除が施行されたps(-)例213例を用い,深達度ならびに各種予後規定因子につき検討し,次の結果を得た.同じps(-)群のなかにあっても,深達度が深くなるにともない: 1) 5年生存率はm 91.2%, sm 88.4%, pm 77.1%, ssα, β43.2%と減少した; 2) 肉眼分類で浸潤型である4型は0.9%と大変稀であったが,早期癌では陥凹型が増加し,進行癌では潰瘍型が増加した; 3) 組織型ではsigが減少した; 4) 間質リンパ球浸潤中等度以上例が減少し,軽度乃至陰性例が増加した; 5) 転移リンパ節個数が増加した; 6) n番号ならびにstageが増加した.<br> 以上より同じps(-)とされている症例であっても,その深達度による変化は, 5生率,肉眼型,組織型,間質リンパ球浸潤,転移リンパ節個数, n番号とstageに連動して変化を起こすことから,壁深達度の重要性がps(-)例においても認められた.

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