書誌事項
- タイトル別名
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- POSTOPERATIVE RESULT AFTER TOTAL AND PROXIMAL GASTRECTOMY
- イ ゼンテキ ナラビニ キンイ イ セツジョレイ ノ ジュツゴ セイセキ ネン
- COMPARISON IN EACH PERIOD
- 年代別にみた検討
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抄録
1948年から1977年までの30年間に教室で経験した原発胃癌に対する胃全摘256例,近位胃切除74例を対象に,主として手術成績と遠隔成績を年代別(4期)に検討した.<br>胃全摘例には浸潤型, ps(+)の低分化型腺癌が多く,年代別にも症例の進行度に大差なかったが,近位胃切除例には限局型, ps(-)の分化型腺癌が比較的多く,進行度,治癒度ともに年代別に著明な改善が認められた.術後合併症の発生率は胃全摘例で44%,近位胃切除例で55%であり,縫合不全は各11%, 12%にみられた.直接死亡率は胃全摘で7.8%,近位胃切除で6.8%であったが,年代別には第1, 2期の12.5% (胃全摘), 11.5% (近位胃切除)から,第3, 4期には4.2% (両術式)に減少し,両術式症例を通じて,縫合不全後の直接死亡率も第1, 2期の63%から,第3, 4期には29%に減少した.<br>遠隔成績に関して,第3期までの胃全摘全例(160例)の相対5年生存率は22%,直接死亡と絶対非治癒切除を除くと31%で,近位胃切除例ではそれぞれ31% (43例), 50%であったが,年代別にみると,絶対非治癒切除を除く胃全摘例(耐術例)の相対5年生存率は,第2期37%,第3期35%と変らず,逆に,近位胃切除例では第2期の19%から,第3期は78%と著明な成績の向上が認められた.<br>また,再発死亡例と長期生存例の癌巣所見では,深達度,ついで脈管侵襲の程度が大きく相違しており,再発に関しては,胃全摘例に術後2年未満の腹膜再発が圧倒的に多く,断端再発,骨再発,肺再発も認められ,低分化型腺癌との密接な関連が推定された.<br>さらに,胃全摘術後5年以上生存中の21例を対象に,各種臨床検査を施行した結果,血清総蛋白量は1例以外良好な成績を示したのに反し,貧血,とくに高色素性貧血はかなり多く,血中ビタミンB12は1/3の症例が極端な低値を示しており,術後管理上十分に留意すべき問題点と思われた.
収録刊行物
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- 日本臨床外科医学会雑誌
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日本臨床外科医学会雑誌 39 (5), 743-751, 1978
日本臨床外科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680284190208
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- NII論文ID
- 130003595337
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- NII書誌ID
- AN00198696
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- ISSN
- 21892075
- 03869776
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- NDL書誌ID
- 2073756
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可