原木需要の大規模化に伴う原木市売市場の機能変化 : 大分県日田地域と宮崎県都城地域を事例に

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タイトル別名
  • Functional Changes in the Log Auction Market Caused by the Large-Scale Demand for Logs : A Comparative Study of the Hita Area in Oita Prefecture and the Miyakonojo Area in Miyazaki Prefecture
  • ゲンボク ジュヨウ ノ ダイキボカ ニ トモナウ ゲンボク シバイ シジョウ ノ キノウ ヘンカ オオイタケン ヒタ チイキ ト ミヤザキケン ミヤコノジョウ チイキ オ ジレイ ニ

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抄録

近年,九州では製材工場の大規模化や集成材・合板工場の立地によって国産材の大規模需要が発生している。これに伴って既存の原木流通は大きく変化すると予想される。九州は,全国的に見て原木市売市場の発展が著しい地域であり,本論文では,原木市売市場の経営展開や原木集荷及び販売方法の変化を分析し,大規模需要発生の下での機能変化について考察した。1)日田地域では,集荷面において市場自身の「素材供給源化」が見られた。域内製材工場の高い専門性のため今後も市場を介して原木が流通していくと思われ,大規模需要発生後も原木集荷と選木機能に重点が置かれていた。2)都城地域では,規模拡大の進む域内素材生産業者を前渡金で援助することで原木を確保していた。販売面では市売以外の販売の拡大といった大規模需要への対応が見られたが,域内大規模製材工場は市場依存率を低下させており,市場の「補完的調達手段化」が見られた。3)市場の価格形成機能は買方数の減少に伴い弱まっていると言える。日田地域では曲材販売において集成材と合板工場の影響が強まっており,市場よりも大きな価格形成力を持つ可能性が示唆された。

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