山村出身者の居住地移動と森林所有 : 三重県宮川村大杉谷地区を対象として

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タイトル別名
  • Residential Mobility and Forest Ownership : The Case Study of Graduates of Osugi Elementary School, Miyagawa Village, Mie Prefecture
  • サンソン シュッシンシャ ノ キョジュウチ イドウ ト シンリン ショユウ ミエケン ミヤガワムラ オオスギ ダニチク オ タイショウ ト シテ

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抄録

高度経済成長期以降、農山村から都市への人口流出が進んだ結果、森林所有者の居住地は分散化・広域化する傾向にある。この森林所有者の居住地の分散化・広域化は、出身山村に残された所有森林の管理の仕方や程度に影響を与えることが予想される。そこで本研究では、三重県宮川村大杉谷地区にある小学校の50年間の卒業生全員を対象に行ったアンケート調査をもとに、居住地移動と森林所有との関わりを調べた。その結果、(1)高度経済成長期には居住地移動に与える森林所有の影響が薄れたものの、安定成長期には近隣都市圏所有者が増加する形で森林所有の影響が現れてきたこと、(2)森林所有者の所有森林に対する知識の程度は、在村所有者と不在村所有者とでは大きく異なるが、不在村所有者の中では近隣都市圏居住者と遠隔地居住者の間に差がないこと、(3)近隣都市圏に居住する森林所有者には「管理するつもりはないが所有し続ける」という意向が特徴的に見られること、が明らかになった。不在村所有者問題に対処するには、このような近隣都市圏に居住する森林所有者の性格をふまえた上で対応する必要性があることが示唆された。

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