インドネシアのジャワにおけるチーク育成林業の実態と課題(<特集>現代インドネシアの森林をめぐる所有と利用)

  • 藤原 敬大
    九州大学持続可能な社会のための決断科学センター

書誌事項

タイトル別名
  • Teak Forestry with Artificial Regeneration and Challenges in Java, Indonesia
  • インドネシアのジャワにおけるチーク育成林業の実態と課題
  • インドネシア ノ ジャワ ニ オケル チーク イクセイ リンギョウ ノ ジッタイ ト カダイ

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説明

チークは,最も経済的価値が高い熱帯広葉樹の1つであり,その材質は,高密度,高い耐朽性や寸法安定性,装飾性によって特徴付けられる。インドネシアは,チークの世界三大生産地の1つであるが,主要な生産者であった林業公社によるジャワの国有林での生産量が減少している。一方で拡大する私有林が,新たなチーク材供給源として期待されている。本稿は文献調査を通じて,(1)国有林と私有林の特徴や現状について整理し,(2)新たなチーク材の供給源としての私有林の可能性ついて検討し,(3)チーク材の安定供給に向けて国有林と私有林が取り組むべき課題について提示した。伝統的な国有林管理は,功利主義と科学林業で特徴付けられる。一方で一般的な私有林管理では,共同管理のための森林計画や管理組織が存在せず,また樹木は地域住民の生活の必要に応じて伐採される。国有林と私有林の管理の実態は大きく異なり,それゆえ生産されるチーク材の材質にも大きな差がある。チーク材の安定供給のためには,国有林では地域住民と協働して長期間安定的にチーク林を管理していくこと,私有林ではチーク材の「質」と「量」の課題に取り組むことが必要である。

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