書誌事項
- タイトル別名
-
- FIELD OBSERVATION OF BLUE TIDE UPWELLING AND OUTFLOW TO MIDDLE LAYER IN TOKYO BAY
- トウキョウワン オウブ ニ オケル アオ チョウ ノ ヨウショウ ト チュウソウ リュウシュツ ゲンショウ ノ ゲンチ カンソク
この論文をさがす
抄録
本研究の目的は高濁度水塊と硫黄の関係,および湧昇後の青潮の挙動を解明することである.2015年8月24日の船上観測で東京湾奥部の青潮を捉えることに成功した.青潮水塊の解析により,湧昇した高濁度水塊が中層から流出していることが分かった.その理由は湧昇した底層水が周囲の表層水と混合し,やや密度が軽くなることによって,密度成層付近から沖側へ流出するためと考えられた.また,高濁度水塊の採水・分析結果から,濁度と硫黄には強い相関関係があり,青潮時の高濁度は硫黄粒子の懸濁化が主要因であることが確認された.さらに,連続水質観測データから,密度の高い水塊の湧昇が必ずしも強い青潮の発生に繋がるわけではないことが分かった.以上より,平場海域に硫化水素が蓄積されていることが大規模な青潮の発生条件になると考えられた.
収録刊行物
-
- 土木学会論文集B2(海岸工学)
-
土木学会論文集B2(海岸工学) 72 (2), I_1237-I_1242, 2016
公益社団法人 土木学会