サルコイドーシスの呼吸機能

  • 藤本 圭作
    信州大学医学部保健学科生体情報検査学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Pulmonary Functions in Pulmonary Sarcoidosis
  • サルコイドーシス ノ コキュウ キノウ

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抄録

病期Ⅰの20%,病期Ⅱの40%,病期ⅢとⅣの80%に呼吸機能障害を認める.30–50%に閉塞性換気障害を認め,腫大したリンパ節による圧排,とくに末梢気道を中心とした気道の肉芽腫病変の形成・線維化が主な原因と考えられる.また気流閉塞と関連して,約50%に気道反応性亢進が認められる.間質の線維化が進行すると,ガス交換障害が顕著となり,拘束性換気障害を伴ってくるが,胸部CTによる画像所見と呼吸機能異常とは必ずしもパラレルではなく,明らかな肺野病変がなくても閉塞性換気障害や肺拡散能力の低下を認める.また,運動負荷試験は呼吸機能障害の検出に鋭敏である.運動耐容能は病期の進行とともに低下する.運動制限因子として換気制限,ガス交換障害が重要な因子であるが,病期の進行とともに吸気筋力の低下,心筋病変に伴う心機能の低下も運動耐容能低下に関与していると考えられる.

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