腎機能障害を呈したサルコイドーシスの一例

抄録

症例は 33 歳男性。2013 年 6 月(31 歳時)より前腕・背部などに無 痛性紅斑が出現した。2014 年 4 月(32 歳時)より大腿のこわばりと 体重減少が出現した。同年 11 月の健診にて胸部異常陰影の指摘あ り、前医紹介受診した。胸部 CT 所見よりサルコイドーシス(サ症) が疑われ、経気管支肺生検・背部皮膚生検を施行した。同検体か ら非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め、組織診断群サ症の診断とな った。肺サ症は無治療経過観察となり、皮膚サ症はステロイド外 用薬が開始された。また虹彩炎を認めたことから眼サ症の診断と なり、ステロイド点眼薬が開始された。2015 年 1 月(33 歳時)より 微熱と倦怠感が出現した。同年 2 月より腎機能障害・血尿・蛋白 尿が出現した。腎サ症が疑われ、精査加療目的に当科紹介受診し た。全身のリンパ節腫大と sIL-2R 5820U/ml と著明高値を認め、 悪性リンパ腫や他のリンパ増殖性疾患の鑑別目的に腎生検を施行 した。同検体からも非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め、腎サ症の 診断となった。全身性ステロイドを導入し、理学・採血/尿・画像 所見は改善傾向を示した。腎サ症に関して、文献的考察を加えて ここに報告する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ