サルコイドーシス診療における血液バイオマーカーの有用性と問題点

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  • 各種検査法の有用性と問題点

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診療における血液マーカーの役割には、1.診断補助 2.疾患活動性評価 3.予後の推定などがある。サルコイドーシスの血液マーカーとして代表的なものに血清 ACE、可溶性 IL-2 レセプターがあり、血清ACE は類上皮細胞肉芽腫病変部から異所性に産生遊離される。可溶性 IL-2 レセプターは、一般に T 細胞の活性化の指標であるが、サルコイドーシスではその由来は単球と肺胞マクロファージであるとする報告がある。2015 年にサルコイドーシスの診断基準が改訂され、特徴的な検査所見項目として血清 ACE 上昇は血清ACE 上昇または血清リゾチーム上昇 に変更され、新たに血清可溶性 IL-2 レセプター上昇が加えられた。診断マーカーの有用性は鑑別の対象となる疾患によって異なるが、悪性リンパ腫や近年注目を集めている IgG4 関連疾患では血清可溶性 IL-2 レセプターが上昇するため、これらの疾患とサルコイドーシスの鑑別における可溶性 IL-2 レセプター有用性は低いと考えられる。一方で、サルコイドーシスの肺病変の進行を予測する上では血清 ACE よりも可溶性 IL-2 レセプターの有用性が高い可能性がある。本発表では、日常診療で測定されることが多い血清 ACE と可溶性 IL-2 レセプターに焦点を当て、サルコイドーシスの診断、病勢評価、予後予測におけるこれらの血液マーカーの有用性を再評価したい。

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