Studies on Heat Treatment of Steel Wire for Spinning Machines

Bibliographic Information

Other Title
  • 紡績針用鋼線の熱処理に関する研究
  • Part 1 : Mechanical Properties of the Quenched Steel Wire
  • (第1報) 焼入状態の機械的性質

Description

研究目的<BR>紡績針は所定の靱性 (JISにおいては折損角度) を有することが必要であるが, この靱性はその原鋼線の焼入焼戻条件により決定せられる.しかるに紡績針製造工場では, その原鋼線の焼入, 焼戻は巻取りながら連続的に行われるから, その処理時間は普通の如く炉を用いて鋼材を焼入, 焼戻する時に比べてはるかに短かい特色があり, 鋼材についてのデータをそのまま適用できない.そこで紡績針としてすぐれた性質の線をつくるためにはどのような条件で焼入, 焼戻すればよいかしらべた.<BR>研究結果<BR>紡績針は焼入とこれに次ぐ焼戻によって所要の性質を与えるものであるが, その焼戻温度は比較的低く (200°~300℃) しかも短時間であるから, 焼戻による性質の変化は普通の場合に比べて少く, 最終性質は焼入れたままの線の性質に負うところが多い.そこで今回はまず焼入条件により焼入状態での性質がどのように変ってくるかしらべた.その結果は次のようである.<BR>(1) 焼入温度の変化により硬度は殆んど変らないが, 紡績針として肝要な靱性 (JISにおける折損角度) は敏感に変化する.焼入温度の低い方が高い靱性 (大きな折損角度) の線が得られる.<BR>(2) 焼入加熱時間の長短は焼入温度の高低と同様な影響を示す.従って焼入加熱時間が短かくても焼入温度さえ適当に高くすれば, 十分な硬度のみならず高い靱性を持った線が得られる.<BR>(3) 高温短時間加熱焼入した場合と低温長時間加熱焼入した場合を比較すると<BR>a) 焼入前の鋼線を予備熱処理してソルバイト組織にした場合は両者間に違いがない.<BR>b) 普通現場で用いるような伸線のままの鋼線では前者の方が高硬度, 高靱性が得られる.<BR>(4) 焼入法として連続マルテンバ法を採用し, マルテンサイト生成温度範囲 (200℃~常温) を徐冷すると靱性の高い線が得られる.<BR>(5) 焼入, 焼戻鋼材の強靱性を更に向上さすためにしばしば行う操作として, 焼入直後0℃ 以下の低温に冷す冷凍処理 (サブゼロ処理) を試みたが, 鋼線の性質に影響がなかった.

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680302584832
  • NII Article ID
    130001594554
  • DOI
    10.4188/transjtmsj1948.9.102
  • ISSN
    18838715
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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