モンゴル西部バヤン・ウルギー県サグサイ村における移動牧畜の現状と課題

  • 相馬 拓也
    カッセル大学エコロジー農学部 客員研究員

書誌事項

タイトル別名
  • Current Situation and Issues of Transhumant Animal Herding in Sagsai County, Bayan Ulgii Province, Western Mongolia

説明

モンゴル西部アルタイ地域(バヤン・ウルギー県)では伝統的な季節移動型牧畜活動が,アルタイ系カザフ社会の生産体系の根幹をなす.しかし遠隔地かつ少数民族社会であることから,同地域ではいまだ生活形態などの基礎的知見が確立していない.本研究では,同県サグサイ村ブテウ冬営地(BWP)の牧畜開発・地域支援を視座に,滞在型のフィールドワークを行った.長期滞在による参与観察やウルギー県統計局の内部資料を参照し,①世帯毎の所有家畜総頭数・構成率,②家畜飼養・管理方法,③季節移動の現状,についての基礎的知見を明らかとした.その結果,BWPでは6割以上が貧困層世帯であり,最低限の生活水準にあることが確認された.また計画的増産や日々の放牧への人的介入は行われず,牧畜生産性の停滞など,アルタイ系カザフ牧畜社会が抱える現状と課題が明らかとなった.

収録刊行物

  • E-journal GEO

    E-journal GEO 9 (1), 102-119, 2014

    公益社団法人 日本地理学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (6)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ