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- 片桐 資津子
- 鹿児島大学法文学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Difficulties facing with the integration of subsistent villages toward pre-marginal hamlets
- 準限界集落化する存続集落の統廃合の困難--超高齢時代のへき地保育所と教育機関の地域社会研究
- ジュンゲンカイ シュウラクカ スル ソンゾク シュウラク ノ トウハイゴウ ノ コンナン チョウコウレイ ジダイ ノ ヘキチ ホイクジョ ト キョウイク キカン ノ チイキ シャカイ ケンキュウ
- The community studies of the preschool of the isolated<br>districts and the educational institution in the era<br>of decreasing population
- ――超高齢時代のへき地保育所と教育機関の地域社会研究――
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説明
本研究の目的は,人口減少により次々と生活必要機関が統廃合されていく準限界集落化する存続集落が,将来的に存在し続けていくことの難しさについて明らかにすることである。北海道富良野市における布礼別と麓郷を調査対象にして地域再編の動きを探る。両集落では子どもの数が激減している。そのため布礼別保育所は麓郷保育所に統廃合され,布礼別小中学校も麓郷小学校と麓郷中学校に統廃合される危機に直面している。しかしながら,統合する麓郷も過疎であることには変わりないため,再び統廃合問題に直面することになる。<br> 布礼別には麓郷に先駆けて開拓した歴史と伝統がある。本稿ではこれを開拓精神と呼ぶ。開拓と同時に布礼別小学校を開校したため,布礼別にとっての小学校は社会的結合の根幹をなしている。それゆえ小学校の閉校は布礼別にあまりにも大きな打撃を与えると予測される。だが同じ布礼別でも高齢者世代と若者世代のあいだで開拓精神の受け止め方に温度差がある。他方,麓郷も問題を抱えている。テレビドラマによるメディアブランドの活用で観光業を軌道に乗せたのだが,ドラマ放映終了後はそれに翳りが見え始めた。<br> 社会的結合が分断される布礼別に対して,メディアブランドの活用をはじめとする4つの攻めの諸方策にも限界が見え始めている。結論として,麓郷における存続集落維持の困難とこれを打破しようとする麓郷振興会の存在を浮き彫りにした。
収録刊行物
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- 現代社会学研究
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現代社会学研究 22 (0), 17-33, 2009
北海道社会学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680304281728
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- NII論文ID
- 130002147802
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- NII書誌ID
- AN10176598
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- ISSN
- 21866163
- 09151214
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- NDL書誌ID
- 10525215
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可