教員の職場における「ジェンダー・バイアス」

書誌事項

タイトル別名
  • “Gender Bias”at Teachers’Work Places
  • 教員の職場における「ジェンダー・バイアス」 : 女性教員の職務配置のあり方に着目して
  • キョウイン ノ ショクバ ニ オケル 「 ジェンダー ・ バイアス 」 : ジョセイ キョウイン ノ ショクム ハイチ ノ アリカタ ニ チャクモク シテ
  • 女性教員の職務配置のあり方に着目して
  • Focusing on the conditions of job assignments for female teachers

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抄録

制度上のジェンダー平等が実現しているといわれる教職であるが,実はその 職場にはさまざまなジェンダー・バイアスがある。こうした実態が生成・維持 される仕組みは,これまで必ずしも明らかになってきてはいない。 そこで本稿では,教職の職務配置の論理に着目し,ジェンダー・バイアスが 生成・維持される仕組みを,教員集団に焦点化することで明らかにすることを 課題とした。 分析の結果,第一に,ジェンダー・バイアスの実態が,小学校では担任する 学年に,中学校では担当する教科に確認できた。しかし第二に,教員たちは自 身の職場を「ジェンダー・バイアスのない職場」と評価していることが明らか になった。第三に,こうした実態と認識のずれを生じさせるのは,職場のジェ ンダー・バイアスは,家庭責任を持った女性教員に対する「配慮」の結果とし て理解されていたことに由来するということが明らかになった。そして第四に, この「配慮」が女性の担当する職務を男性の担当する職務より劣位に置かれる ことを見えにくくしていることが明らかになった。しかし同時に,昨今の学校 組織改革や教職の多忙化の影響によって,教員同士による「配慮」自体が,す でに困難になりつつあるということも示唆された。

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