幌延地域における周氷河地形の解析的研究

  • 花谷 育雄
    Japan Atomic Energy Agency, Nuclear Safety Research Center, Waste Disposal Safety Research Group Nikko Exploration and Development Co., Ltd.
  • 宗像 雅広
    Japan Atomic Energy Agency, Nuclear Safety Research Center, Waste Disposal Safety Research Group
  • 木村 英雄
    Japan Atomic Energy Agency, Nuclear Safety Research Center, Waste Disposal Safety Research Group
  • 三箇 智二
    Nikko Exploration and Development Co., Ltd.

書誌事項

タイトル別名
  • An analytic investigation of periglacial topography in Horonobe region, Hokkaido
  • ホロノベ チイキ ニ オケル シュウ ヒョウガ チケイ ノ カイセキテキ ケンキュウ

この論文をさがす

抄録

高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価に資するため, 日本原子力研究開発機構では, 広域を対象とした長期的な地下水流動評価手法の整備を進めている. 本研究はその一環として, 将来的な寒冷気候の到来に伴った地下水流動状況を予測評価するために, 凍土が形成されていた可能性の高い北海道幌延地域を対象として, 空中写真と高精度 DEM (数値標高モデル) を使用した地形解析を行い, 最終氷期から後氷期への地下水流動の変化要因について検討した. その結果, 幌延地域では氷期に周氷河性の平滑斜面が広く発達し, 後氷期に入ると降水量の増大に伴ってこの平滑斜面が侵食され, 相対的に急傾斜の後氷期斜面が形成されたこと, およびこの後氷期の侵食作用は対象地域内で一様ではなく, 地質の違いによって明瞭な差があることがわかった. すなわち, 勇知層や更別層では平滑斜面の60%以上がすでに侵食され, 一部では谷の切り合いにより稜線高度が低下していた. 一方, 声問層や稚内層では水系密度が低く, 平滑斜面の40%未満を侵食するに留まっていた. また, 後氷期に形成された谷は, 声問層以上の比較的浅い谷と稚内層以下の比較的深い谷とに分類できることがわかった. これらに加え, 対象地域の北部と南部での河床高度の変化の違い等について検討した結果, 最終氷期から後氷期への地下水流動の変化要因として①永久凍土の消滅, ②本流河床標高の上昇, ③降水量の増加が重要であると考えられる.

収録刊行物

参考文献 (4)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ