透析患者の重症下肢虚血をどうするか—血管外科医の視点から—

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タイトル別名
  • Management of chronic critical limb ischemia in patients with dialysis patients
  • 透析患者の重症下肢虚血をどうするか : 血管外科医の視点から
  • トウセキ カンジャ ノ ジュウショウ カシキョケツ オ ドウ スル カ : ケッカン ゲカイ ノ シテン カラ

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抄録

透析技術向上による長期透析患者の増加,高齢者および糖尿病性腎症による透析導入の増加により,透析患者における末梢動脈疾患の合併率も増加している.透析患者の重症下肢虚血(critical limb ischemia: CLI)は高度の動脈中膜石灰化を伴う,多分節・下腿動脈病変が多く,手技的な困難さに加え,心臓,脳血管疾患の合併,創傷治癒不良,易感染性,生命予後不良などがその治療を難しいものにしている.保存的療法で十分な効果が得られないCLI症例は早期に血管専門医に紹介し,適切な施設において早期に集学的治療が開始されるべきである.近年,末梢動脈疾患に対する血管内治療は急速に普及してきたが,下腿動脈バイパス術が一般的手技として普及しているとは言いがたい.2011年にNCD(National Clinical Database)に登録された,足部・膝下動脈への血管移植またはバイパス術は1,069件のみであり,血管内治療および外科的血行再建術の双方を適切に使い分けられる血管外科医の数は極めて少ないのが現状である.今後も患者数が増加することは間違いなく,若手血管外科医(血管治療医)の育成が急務である.

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参考文献 (15)*注記

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