透析患者末梢動脈疾患(PAD)の特徴と重症下肢虚血に対する治療

  • 大竹 剛靖
    湘南鎌倉総合病院 腎臓病総合医療センター 腎免疫血管内科
  • 石岡 邦啓
    湘南鎌倉総合病院 腎臓病総合医療センター 腎免疫血管内科
  • 守矢 英和
    湘南鎌倉総合病院 腎臓病総合医療センター 腎免疫血管内科
  • 日高 寿美
    湘南鎌倉総合病院 腎臓病総合医療センター 腎免疫血管内科
  • 小林 修三
    湘南鎌倉総合病院 腎臓病総合医療センター 腎免疫血管内科

書誌事項

タイトル別名
  • Characteristics of peripheral arterial disease in hemodialysis patients and treatment strategy for limb salvage
  • トウセキ カンジャ マッショウ ドウミャク シッカン(PAD)ノ トクチョウ ト ジュウショウ カシキョケツ ニ タイスル チリョウ

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抄録

透析患者は末梢動脈疾患(peripheral arterial disease: PAD)の発症リスクが最も高い特徴的な患者集団であり,透析導入期で25%,維持期で約40%が下肢微小循環障害を有する.また透析患者では下肢動脈石灰化の程度がPAD有無やその重症度とよく相関し,下肢切断や心血管死亡などの重大な転帰とも有意に関連する.重症下肢虚血(CLI)に進展した透析患者の予後は,血行再建術(血管内治療やバイパス術),創傷治療(VAC/maggot),LDLアフェレシス,感染治療,栄養介入などの集学的治療を行った当院の検討でも2年救肢率79%,2年生存率44%であり,たとえ集学的治療を行って救肢できても生命予後を十分改善することはできていない厳しい現状がある.何より重要なことはPADの早期発見であり,また心脳血管障害など他の合併症の診断治療も生命予後改善につながる重要なポイントであると考える.

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参考文献 (8)*注記

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