誘蛾灯を利用した茶園のゴミムシ類の種多様性評価とその有効性

  • 豊島 真吾
    農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所 金谷茶業研究拠点
  • 石島 力
    農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所 金谷茶業研究拠点
  • 佐藤 安志
    農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所 金谷茶業研究拠点

書誌事項

タイトル別名
  • Species Diversity of Carabid Beetles Attracted to a Light Trap in a Tea Plantation
  • ユウガトウ オ リヨウ シタ サエン ノ ゴミムシルイ ノ タネ タヨウセイ ヒョウカ ト ソノ ユウコウセイ

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抄録

誘蛾灯によるゴミムシ類の多様性調査の有効性を評価するため,茶園の誘蛾灯に捕獲されるゴミムシ類の種多様性と季節消長を把握し,ピットフォールトラップ(PFT)による調査結果と比較した。誘蛾灯には,2010年5月25日から10月25日までに24属52種1,959個体のゴミムシ類が捕獲され,上位10種で総捕獲数の90%を占め,既報のピットフォールトラップ(PFT)調査に比べて上位種が多様であったが,PFTの主要種であるマルガタツヤヒラタゴミムシは捕獲されなかった。誘蛾灯の主要5種は7月または9月に捕獲ピークを示したが,PFTの主要2種は6月と11月に捕獲ピーク(2山型)を示した。全期間の捕獲数に基づく種多様度指数は,0.794(シンプソンの指数:D)および2.198(シャノン・ヴィナーの指数:H’)と推定され,PFTのそれらに比べて高かった。以上より,誘蛾灯はPFT調査に比べて多様なゴミムシ類を捕獲するが,PFTと組み合わせて,相互にデータを補完することが望ましい。

収録刊行物

  • 茶業研究報告

    茶業研究報告 2012 (113), 113_27-113_34, 2012

    日本茶業学会

参考文献 (6)*注記

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