多血小板血漿を用いた下肢難治性創傷治療

書誌事項

タイトル別名
  • Platelet rich plasma for chronic foot wound
  • 難治性創傷の最新治療(3)多血小板血漿を用いた下肢難治性創傷治療
  • ナンチセイ ソウショウ ノ サイシン チリョウ(3)タケッショウバン ケッショウ オ モチイタ カシ ナンチセイ ソウショウ チリョウ

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抄録

要旨:多血小板血漿療法(platelet rich plasma: PRP)は再生医療の一つであり,自家血を遠心分離して得られる血小板を濃縮させた血漿に,血小板凝集反応を起こさせ,活性化させることにより放出された多量の成長因子を創傷治癒の促進に応用する方法である.糖尿病性足潰瘍や重症下肢虚血などの下肢慢性創傷では,肉芽内の成長因子やサイトカインなどがバランスを欠いた状態にあり,デブリードマン,血行再建,感染のコントロールを集学的治療で行った後,PRP gel を塗布することによりバランスのとれた肉芽組織が回復し創治癒が促進される.口腔外科や整形外科領域の骨再生に利用される高濃度PRP と異なり,低濃度(生理学的濃度)PRP は皮膚軟部組織創傷治療に適しており,その有用性が国内外で報告されている.PRP は先進医療としての申請も認可され,下肢の難治性創傷治療に貢献する付加療法としての役割を果たす.

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参考文献 (15)*注記

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