TASC II ─その2 慢性重症下肢虚血と急性下肢虚血

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要旨:TASC II において,慢性重症下肢虚血(critical limb ischemia; CLI)は証明された動脈閉塞性疾患(peripheral arterial disease; PAD)に起因する慢性虚血性安静時疼痛,潰瘍あるいは壊疽を有するすべての患者と定義される.跛行からCLI への移行は数%と決して多くはないが,患者の多くは無症候性からの発症であることに留意すべきである.診断にはPAD に起因しているか否かの判断が重要である.予後は下肢,生命予後ともに不良であり,切断の回避,生命予後,QOL 改善のためには多面的な集学的アプローチが必要である.一方,急性虚血肢は,急激な下肢の血流低下であり,5P の徴候を呈し,下肢の生存予後と危機を直ちに判別しなくてはならない.治療には基礎疾患,解剖学的部位把握が重要であり,時間を逸する下肢切断は高率となる.心房細動の増加,高齢化,糖尿病,透析の増加などこれらの病態を呈する症例はますます増加するものと推測され,病態把握,治療法の確立の必要性はますます高まっていくものと考えられる.

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