プロトンポンプインヒビター投与中止により下痢症状が改善し,Collagenous colitisが疑われた1例

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タイトル別名
  • A case of suspected microscopic colitis with chronic watery diarrhea due to proton pump inhibitor use
  • 症例報告 プロトンポンプインヒビター投与中止により下痢症状が改善し,Collagenous colitisが疑われた1例
  • ショウレイ ホウコク プロトンポンプインヒビター トウヨ チュウシ ニ ヨリ ゲリ ショウジョウ ガ カイゼン シ,Collagenous colitis ガ ウタガワレタ 1レイ

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抄録

<p>78歳女性が6ヶ月続く下痢を主訴に入院した.過去の検査から感染性腸炎や炎症性腸疾患,大腸腫瘍,甲状腺機能亢進症,副腎不全は否定的だった.かかりつけ医で8種類の内服薬を処方されており,前医下部消化管内視鏡検査(CF)で縦走潰瘍を認めたことからCollagenous colitis(CC)を疑った.ほぼ全ての薬剤を休薬したところ,13日後には下痢症状は消失した.CF再検査を本人が拒否されたため,CCの確定診断には至らなかった.退院後にプロトンポンプインヒビター(PPI)以外を再開しても症状の再発を認めないことから,PPIが原因と考えられた.PPIは,明確な適応が無いにも関わらず1年以上処方されていた.本症例から,第一に薬剤性のCCを疑った際には確定診断に至らずとも被疑薬を中止してみること,第二に薬剤有害事象の予防のため,日々薬剤の処方理由を再確認し,不適切処方を減らすことが重要であると考えられる.</p>

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参考文献 (5)*注記

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