わが国における山羊飼養の実態 -アンケート調査結果から-

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  • ワガクニ ニ オケル ヤギ シヨウ ノ ジッタイ : アンケート チョウサ ケッカ カラ

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抄録

わが国における山羊の飼養上の問題点の解決と合理的な飼養技術の確立に向けた基礎的知見を得る目的 で,山羊飼養者を対象としてアンケート調査を実施し,山羊の飼養目的,飼養規模,給与飼料および放牧管理上の問題点などを明らかにした. 調査対象者402 名のうち,有効回答数は109 名(27%)であった.山羊の飼育目的は除草利用および乳生産が多く,次いで伴侶動物としての利用,教育利用および肉生産であった.1 戸当たりの飼育規模は10 頭以下が過半数を占め,51 頭以上は6.4%と少なかった.放牧のみは3.6%と少なく,舎飼い中心であった.舎飼いの飼育密度については,4.1 ~8.0 ㎡/ 頭(37.1%)が最も多く,次いで2.1 ~4.0 ㎡/ 頭(25.8%),8.1 ㎡/ 頭以上(21.4%)および2.0 ㎡/ 頭(15.7%)の順であった.給与飼料の自給率は56.8%と比較的高かった.放牧対象地は野草地が最も多く,牧柵資材としては金網が過半数を占めた.また,放牧管理上の問題点としては,脱柵が最も多く,柵の破損,山羊の頸や肢にロープが絡まることなども挙げられた. 以上より,わが国における山羊の利用目的は多様であり,小規模な舎飼い中心であることが判明するとともに,舎飼い時の適正飼育密度および放牧時の脱柵防止対策に関する情報蓄積が必要であることが示唆された.

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