インフルエンザA(H1N1)pdm09入院症例の臨床経過に関する検討

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タイトル別名
  • Clinical analysis of influenza A (H1N1) pdm09
  • インフルエンザ A(H1N1)pdm09 ニュウイン ショウレイ ノ リンショウ ケイカ ニ カンスル ケントウ

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抄録

目的 : インフルエンザA (H1N1) pdm09ウイルス感染の臨床像の解明のため, 小児入院症例の臨床経過を解析した. <br>方法 : 流行初期約3カ月における入院93症例の臨床経過をpdm09ウイルス以前の流行期の症例と比較するとともに, 本症例の特徴的所見を検討した. <br>結果 : 平均年齢7.7歳と例年より年長化し, 入院理由別分類では呼吸器症状群 (39例) が4割と従来 (1割) を上回った. この群には喘息既往者 (21名) を有意に多く認めた. 呼吸困難症状が発熱に先行した症例 (9例) では発熱から入院までが短期間 (1.6日) で, 白血球数上昇 (13644/µl) と入院長期化 (6.0日) を認めた. 初回迅速診断検査陰性群 (29例) では呼吸器症状群 (20例) や肺炎症例 (15例) が多く, 高頻度で酸素投与 (18例) など抗ウイルス薬以外の治療を要し, 入院が長期化 (4.5日) した. <br>結論 : 流行発生当初の本ウイルス感染入院例では, 呼吸器症状による入院症例が多く, 喘息既往者も多く含まれた. 呼吸困難先行例や迅速検査偽陰性例では入院期間が遷延した.

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