海外投資家は「バリュー・アノマリー」の裁定投資家か,それともその逆か?
説明
海外投資家は日本の株式市場において自己資本簿価/株式時価総額比率(B/M比率)の低い株式をより多く保有する傾向にある.これは海外投資家が日本株に資金を投じる際に,時価総額が大きく予想ROE(自己資本利益率)の高い株式,結果としてB/M比率の低い株式により多くの投資を行う傾向が強いためである.このため,海外投資家による日本株への資金流入が大きい局面では,B/M比率とその後のリターンの正相関,所謂「バリュー・アノマリー」は減衰・消滅し,逆に,海外投資家が日本株から資金を引き揚げる局面では,「バリュー・アノマリー」が強まる傾向がある.我々の実証結果は,海外投資家が「プロの投資家」として「裁定」を行っているというよりは,彼らの行動が「バリュー・アノマリー」の一因になっている,との見方を支持するものである.
収録刊行物
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- 行動経済学
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行動経済学 5 (0), 220-224, 2012
行動経済学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680322367360
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- NII論文ID
- 130004554929
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- ISSN
- 21853568
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可