作業集団におけるインフォーマルグループの諸特性
Description
工場のフォーマルな集団内でのインフォーマルな結合関係を求めるために, 「仲のいゝ友人」を選択基準としたニア・ソシオメトリック・テストを行った。これから得た資料を基にしてインフォ_マルグループを検出したこ。<BR>作業集団におけるインフォーマルな集団形成には, 会社での要因によるところが大きく, それと関連して各人の社会的諸属性における同質性が強く作用していると推察される。したがって小サイぎの集団のばあいには, 異質的なメンバーの寄り集りとなるのでインフォーマルな友人関係が生じ難くなる傾向がある。<BR>一作業集団内のそれぞれのインフォーマルな下位集団の態度志向は方向において同一的なものもあれば相殺的なものもあり一様ではない。そうしてこれらの下位集団の態度志向がフォーマルな作業集団の態度値に影響を及ぼしてきている。またクリークについても同様なことがいえるのであって, 各クリーク毎に想定されるモラールの方向は一様でなく各クリーク毎に異なるといえる。インフォーマルグループの態度志向から作業所全体のモラールのインフォーマルな集団規範を推測してみると高モラールへの志向性が見出せた。しかしこの高モラールへの志向性は観念的な意味でよりもむしろ経済的な要因からきたこものと思われる。<BR>インフォーマルな下位集団での態度逸脱者の選択・被選択状況は・選択数よりも被選択数が有意的に少ないのであり, このことは逸脱者がグループの中心的存在であるより周辺的存在であることを意味している。<BR>インフォーマルな下位集団での人気者は, 特に仲のいゝ友人関係を形成しているクリーク・メンバーが大半を占めている。これらの人々は同年令, 同職階で固っておりインフォーマルグループの中核となっている。インフォーマルグループの周辺に位置する孤立者は, そのグループではフォーマルな地位において下位者であり, 選択に際しては上位者を選ぶ傾向におかれているのに対して, 上位者は下位者を選択する志向をなかなか持ち合わさないので孤立者としておかれることになったのではあるまいか。
Journal
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- THE JAPANESE JOURNAL OF EDUCATIONAL & SOCIAL PSYCHOLOGY
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THE JAPANESE JOURNAL OF EDUCATIONAL & SOCIAL PSYCHOLOGY 3 (1), 65-74, 1961
The Japanese Group Dynamics Association
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680324436096
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- NII Article ID
- 130003873550
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- ISSN
- 18845436
- 0387852X
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed