琉球弧の地質と岩石:沖縄島を例として

書誌事項

タイトル別名
  • Geology and its development of the Ryukyu Island Arc: An example of geology of Okinawa Island, Central Ryukyus

説明

琉球列島の地質学的特徴について概観し,特に中琉球に位置する沖縄島をとりあげ,その地質と成り立ちについて解説した.琉球弧はプレートの沈み込み帯に位置し,その西側には若い背弧海盆(沖縄トラフ)が発達している.そこではマグマ活動と海底熱水活動が活発である.島弧は2つの構造線で分断され,北・中・南琉球の3つのセグメントに分けられる.沖縄島北部の地質は,ペルム紀から始新世にかけての古い地層群からなり,主に付加体堆積物で構成されている.これらは西から東へ帯状に配列しており,最も東側の名護帯と嘉陽帯は西南日本の四万十帯に対比される.沖縄島の南部には後期中新世から第四紀の若い地層(島尻層群と琉球石灰岩)が分布している.島尻層群を構成する泥が堆積した海から,琉球石灰岩のもととなったサンゴ礁の海へ,海洋環境が大きく変化したことが推定され,沖縄トラフの形成と密接に関連した海域と島弧の地殻変動(島尻変動)が生じたらしい.その後,琉球石灰岩を切るブロック状の断層運動(うるま変動)によって島嶼化がすすんだ.

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参考文献 (12)*注記

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