覆土を用いた古墳石室内の環境保全-墳丘が石室の室温変化と結露に与える影響-

DOI HANDLE Web Site 参考文献1件 オープンアクセス
  • 澤田 茉伊
    京都大学大学院 工学研究科都市社会工学専攻
  • 三村 衛
    京都大学大学院 工学研究科都市社会工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • ENVIRONMENT CONTROL IN A BURIAL CHAMBER BY COVERING WITH AN EARTH MOUND—EVALUATION OF TEMPERATURE AND DEW CONDENSATION IN A BURIAL CHAMBER ASSOCIATED WITH THE OVERLYING TUMULUS MOUND—

抄録

内部の石室に装飾が施された古墳では,石室の室温変化やそれに伴う水分移動に由来した石材や装飾の劣化が問題となっている.こうした劣化を抑制する方法として,覆土を施して石室を断熱する方法が有効と考えられるが,覆土の仕様を決定する上で,周囲の土が石室環境にどのように影響するか明らかにする必要がある.そこで,本稿では,墳丘の層厚,乾燥密度,飽和度が石室環境に与える影響を調べた.一次元熱伝導方程式を解き,石室の温度と結露を評価したところ,石室環境は層厚に敏感である一方,乾燥密度や飽和度には実質的にあまり影響を受けないことがわかった.したがって,石室の温度環境が重視される古墳に覆土する場合,最も重要なパラメータは層厚であり,他のパラメータについては,力学的安定性や雨水浸透の観点から決定するのが適当である.

収録刊行物

参考文献 (1)*注記

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