観測地震波形を利用した模擬地震動の作成

DOI Web Site 参考文献2件 オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Generation of Artificial Earthquake Motion using Observed Earthquake Motions

この論文をさがす

説明

確率論的耐震設計評価等において従来より大きな地震動を想定する場合、構造物の応答が強い非線形領域に入ることが考えられるため、より観測地震波形に近い位相特性を持った模擬地震動が必要となる。このため観測地震波形の時間-周波数特性を用いて、目標応答スペクトル特性を満たす模擬地震動を作成する、簡明でノンパラメトリックな方法を開発した。提案方法では、観測地震波形をウェーブレット変換して得られる周波数帯域毎のウェーブレット係数列を、複数の波形について加重加算し、これを模擬地震動のウェーブレット係数列とする。このとき、係数列を逆変換した時刻歴データから求めた応答スペクトルと目標応答スペクトルとの誤差が目標値以内になるように、ウェーブレット係数列の重みを繰り返し計算して模擬地震動を得るものである。震源距離の範囲を指定し、複数の地震で観測された地震波形から無作為に選出した20波を元に模擬地震動を作成し、その応答スペクトルと目標に設定した大崎スペクトルとの比が設計条件を満たすようにすることができた。作成した模擬地震動に対して入力した観測地震波形の周波数領域毎の寄与を調べ、模擬地震動には各波の特性が含まれていることを確認した。作成した模擬地震動は群遅延時間の平均値と分散値が入力した観測地震波形群のほぼ中央値となっており、複数の観測地震波形の平均的な時間-周波数特性を示した。

収録刊行物

参考文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ