中国人留学生を対象とした現代史用語リスト作成の試み

書誌事項

タイトル別名
  • Trial Program Creating a Contemporary History Terminology List for Chinese Students in Japan
  • 中国人留学生を対象とした現代史用語リスト作成の試み : 日中歴史教科書を比較して
  • チュウゴクジン リュウガクセイ オ タイショウ ト シタ ゲンダイシ ヨウゴ リスト サクセイ ノ ココロミ : ニッチュウ レキシ キョウカショ オ ヒカク シテ
  • Comparing History Textbooks Between Japan and China
  • 日中歴史教科書を比較して

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抄録

筆者らは、中国人留学生を対象とした現代史用語リスト作成を試みた。このリスト作成には2つの目的がある。第一は、専門科目の講義理解の支援とすること、第二は、中国人留学生が自国で学習した情報と結びつけられる支援とすることである。まず第一の目的のために、現在市販されている高校の世界史教科書の、現代史部分の太字の用語のうち半数以上重なる91語を抽出し、留学生にとって必要な用語として選定した。次に第二の目的のために、その91の重要語の、中国の歴史教科書における出現状況の調査結果をリストに盛り込んだ。調査の結果を踏まえ、91の重要語を、(1)「中国の教科書にない」、(2)「用語としてはないが説明記述はある」、(3)「中国の教科書に用語としてある」の3つにグループ分けした。(3)は、用語として記載されていても、情報の量や内容に違いがあった。(1)の用語は26語あり、これらは用語とその情報を学習する必要がある。(2)は11語あり、用語そのものを導入し、留学生が持っている情報と結びつける学習が必要になる。(3)は54語あり、そのうちの21語は内容や量が同程度であった。また日本の方が情報の量が多いものは3語で、その情報量の差を補う必要がある。日本の方が情報の量が少ないものは22語あった。さらに内容が異なるものが8語あった。これらの語は日中の情報の違いを学習する必要がある。今後はこのような差異を意識した教室活動を行っていきたい。

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