Science Communication- International Experience and Current Relevance

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  • 特集 Science Communication-International Experience and Current Relevance
  • トクシュウ Science Communication-International Experience and Current Relevance

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抄録

本稿は、「科学コミュニケーション」の発展の歴史的・国際的背景を解説する。この分野は科学全般にとって極めて重要な一部であり、科学研究と技術開発の動向と方針を一般大衆が受容するか否かに重大な影響を持つ。この分野が誕生したのは、人々の理解力の不足が危惧され、経済的成長のためには有能な専門家を育てることが必要であると考えられたからであった。次の段階では、多くの技術革新が受容され、技術がもたらすリスクが客観的に評価される上で、一般大衆の理解が必須であると見なされるようになった。この「一般大衆による科学の理解」という図式においては、大衆には知識不足という問題があり、科学コミュニケーションがそれを何とかしなければならないと考えられていた。しかし、過去15年の間にこの図式は書き換えられ、市民は、科学者および行政府のパートナーであり、人間社会が科学と技術をどう利用するかを議論し決めていく過程に関わると見なされるようになった。この「関与モデル」が、EUおよびアメリカ合衆国において一般的な捉え方となってきているが、この5年ほど、科学コミュニケーションには、政治によって科学が干渉され歪曲されることが増えているという新たな難題が生じている。この問題は特にアメリカ合衆国において顕著である。また、最近、新技術に伴うリスクを客観的に伝達する上で科学コミュニケーションが重大な意味を持つことが明らかになった。

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