健康蹄と蹄叉腐爛蹄の蹄下面各部の面積の比較
説明
馬事公苑に繋養している騎手講習用馬の蹄101例につき,蹄下面各部の大きさについて検討したところ,以下の如き成績を得た。 (1)蹄下面各部の面積が健康蹄の面積の平均値より小さい蹄に,蹄叉腐爛が集中発生している。換言すれば蹄叉腐爛に罹病した蹄は蹄機の障害により蹄踵狭窄並びに蹄の変形を促がす。 (2)蹄の変形,蹄叉の萎縮を伴なわない2例(第3,4表参照)の蹄叉腐爛は,蹄叉の過削及び挫傷を受けて発生したものと考えられる。殊に成馬で装蹄した蹄に観られる蹄叉腐爛は,殆んど蹄叉の過削挫傷或いは二者が合併して発症すると考えてさしつかえない。 (3)蹄叉腐爛の蹄下面を健康蹄のそれと比較検討する場合,今後は蹄叉腐爛の病勢を加味し,更に多数の症例を測定し,これを統計的に処理することにより,健康及蹄び病変蹄の形態を把握する事ができると考える。 それによって蹄叉腐爛に継発する蹄病の予防並びに,蹄の衛生に資すべきであると考える次第である。 おわりにこの調査の実施にあたり協力して下さった馬事公苑教育課諸氏並びに装蹄師小山内治登氏に感謝したい。
収録刊行物
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- 日本中央競馬会競走馬保健研究所報告
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日本中央競馬会競走馬保健研究所報告 1964 (2), 121-125, 1964
日本ウマ科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680338825088
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- NII論文ID
- 130003822911
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- ISSN
- 18844634
- 03685543
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可