博士論文紹介「カーボンナノチューブ内の水-アルコール溶液に電場を加えた時の水の構造と分離効果」

DOI

Abstract

<p>カーボンナノチューブ(CNT)はナノ流体をベースとしたデバイスへの応用が期待されている.CNT 内での水の性質はバルクとは異なるため,そのようなデバイスを開発するにはCNT 内での水の性質をより深く理解する必要がある.ここでは,CNT 内の水分子に対する電場の影響を調べるため,分子動力学シミュレーションを行う.そして,電場によりエタノールまたはメタノールの水溶液の分離が生じることを示す.電場により水分子の双極子モーメントがそろってくるため,水分子は秩序だった構造を形成し,水分子間の静電相互作用が強くなり,CNT 内に水がいやすくなる.その結果,アルコール水溶液の分離が起こる.電場がない時には,アルコール分子がCNT 内を満たすようになる.この分離効果は,CNT の半径が小さい時に強くなる.一方,電場がある時には,静電相互作用はCNT の半径ではなく分子構造に依存するため,分離効果は半径の大きなCNT でも現れる.</p>

Journal

  • Ensemble

    Ensemble 19 (2), 130-136, 2017-04-30

    The Molecular Simulation Society of Japan

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680339621120
  • NII Article ID
    130006729060
  • DOI
    10.11436/mssj.19.130
  • ISSN
    18845088
    18846750
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top