【総説-糖質関連酵素化学シンポジウム-】 タンパク性α-アミラーゼ阻害剤を生産する放線菌の澱粉資化戦略

書誌事項

タイトル別名
  • [Review: Symposium on Amylases and Related Enzymes] Strategy for Starch Utilization on Actinomycetes Producing Proteinaceous α-Amylase Inhibitors
  • タンパク性α-アミラーゼ阻害剤を生産する放線菌の澱粉資化戦略
  • タンパクセイa-アミラーゼ ソガイザイ オ セイサン スル ホウセンキン ノ デンプンシカ センリャク

この論文をさがす

抄録

放線菌Streptomyces属が生産するタンパク性α-アミラーゼ阻害剤(α-AI)は分子量が約8,000の単純タンパク質で,N末端領域に高度に保存されているTrp-Arg-Tyr motifが阻害活性に重要であると考えられている。当初,α-AIは動物由来α-アミラーゼを阻害するものの,植物由来α-アミラーゼや主要な微生物由来α-アミラーゼを阻害しないことから,自然界でのα-AIの標的酵素や生産菌におけるα-AIの役割は不明であった。そこで,α-AIの自然界における標的酵素を同定するために,α-AI感受性アミラーゼ生産菌のスクリーニングやα-AI感受性アミラーゼの一次構造解析から,同属のStreptomyces属由来α-アミラーゼが標的酵素であることがわかった。本稿では,α-AIと標的酵素との相互作用について,α-AIのTrp-Arg-Tyr motif置換体を用いた解析結果や,α-AI生産菌が他の放線菌由来アミラーゼを阻害しつつ自身はユニークなアミラーゼによって澱粉を独占的に資化している戦略について紹介する。

収録刊行物

参考文献 (27)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ