蛋白質構造に關するポリペプティド鎖の分子内折疊みに就いて〔Hans Neurath, <i>The J. of. Phys. Chem.,</i> 44, 3, 296 (1940~3)〕

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抄録

充分に引伸ばされた或は折疊まれたポリペティド鎖に於けるアミノ酸殘基の空間要求とオリエンテイションとを比例尺を用ひた原子模型を使用して研究を行つた。<br>アミノ酸殘基に依つて形造られた側鎖を收容することは,主鎖に依つて形造られた平面の上下の表面より側鎖が交互に突き出てゐると言ふ事實に主として原因して,充分引伸ばされたポリペプティド鎖中には容易に收容することが出來る。この構造は實側したフィルム面積及び蛋白質の單分子層の性質を殆ど定量的に説明することが出來る。<br>アルファーケラチン及び超收縮ケラチンとして提案せられた状態のポリペプティド鎖の折疊みはそれぞれ側鎖のオリエンテイションに烈しい變化を生ずる。ボンドの角の不合理な歪みを假定するに非れば,これ等の配置はあまりにつまつてゐるのでグリシン及びアラニンの如きもの以外の殘基及び水酸原子をしてそれ等を附着してゐる6角形のリングの炭酸原子に依つて要求せられる位置に入り込むことを許さない,と言ふことを論據は示してゐる。アミノ酸殘基の空間要求の考察から,シクロール構造は非常につまつてゐて側銀の收容を許さない,と言ふことが矢張り生ずるのである。<br>蛋白質構造の問題に封するこれ等の考察の意義を論議した。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680342718848
  • NII論文ID
    130004073656
  • DOI
    10.11524/fiber1935.8.66
  • ISSN
    18842267
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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