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- 大原 資生
- 山口大学 工学部土木工学教室
書誌事項
- タイトル別名
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- ON RELATION BETWEEN CHARACTERISTIC OF CELL AND MEASUREMENT OF DYNAMIC PORE WATER PRESSURE
- ドアツケイ ノ トクセイ ト ドウ カンゲキ スイアツ ノ ソクテイ
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抄録
地震時に, 岸壁裏込めの間げき水が動水圧を発生するか, どうかという事柄は耐震工学上非常に重要なことはもちろんであるが, 土質工学のうえからも興味のあることである。<BR>この間げき水による動水圧 (以後, 動間げき水圧と呼ぶ) の測定は通常の動水圧の測定以上にむずかしい点をふくんでおり, このために, この動間げき水圧の存在については種々異論が持たれている。<BR>著者は, この原因はこの実験結果に対する見解の相違にあり, その実験結果を整理する場合に土圧計の特性を考慮しているか, いないかということにもあるように思う。ここでいう特性とはっぎのようなことである。すなわち, 受圧面変位型の通常用いられている土圧計で飽和砂の圧力を測定する場合を考える。この場合には通常, 受圧面には土圧と間げき水圧とが作用している。いま, 間げき水圧が増加すると, そのために受圧面の変位が生ずる。この変位は微少ではあるが, このために受圧面は土より逃げることとなるので, それに作用している土圧は減少する.結局, この土圧の減少と水圧増加とが互いに打ち消し合って, この場合の土圧計の測定値は真の水-測定値の関係とかけはなれたものとなる。<BR>また, 間げき水圧が減少する場合は受圧面の変位は減少し, このため, 受圧面は土を押すこととなるので, それに作用している土圧は増加することとなり, この場合も土圧の増加と水圧の減少とが互いに打ち消し合うこととなる。極言すれば, 土圧計の受圧面に水圧と土圧とが一緒になって作用している場合に得られる測定値はその水圧が変わるときは土圧も乱されて, なんの圧力を測定しているかわからない無意味な測定値となると考えられる。<BR>この意味から, われわれは動間げき水圧の測定は土圧計の前面にスクリーンをつけて受圧面には水圧のみが作用できるようにして行なったのである。<BR>飽和砂の振動圧力の実験では, この土圧計の特性は必ず考慮されなければならないにもかかわらず, ややもすれば忘れられ勝ちであると思う。<BR>著者は, この考えが正しいか, どうかということを明らかにするために, この特性を実験的にしらべてみた。その結果について述べる。
収録刊行物
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- 土木学会論文集
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土木学会論文集 1964 (108), 13-19, 1964
公益社団法人 土木学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680350014848
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- NII論文ID
- 130003978599
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- NII書誌ID
- AN00174858
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- ISSN
- 18844944
- 00471798
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- NDL書誌ID
- 9132042
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可