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- KUMAGAI Seiji
- Kyoto University
Bibliographic Information
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- ボン教の五蘊説
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Description
仏教が他地域に伝播し定着していく過程において,土着の宗教との対立や同化が生じ,多かれ少なかれ両者は相互に影響を受け合ってきた.チベットには古来よりボン教なる宗教が存在していたが,元来,高度な哲学を持っていなかったボン教は,7世紀に伝来した仏教から思想的影響を強く受けた.ボン教に対する仏教思想の影響のうち,密教的側面については,すでにサムテン・カルメイ氏などが,チベット仏教ニンマ派からの影響について指摘をしている.一方,顕教的側面については筆者(Seiji Kumagai, The Two Truths in Bon [Kathmandu: Vajra Publications, 2011])がすでに,インド仏教中観派の思想がボン教教義に大きな影響を与えていたという事実を指摘し整理した.その後の研究により,ボン教はインド仏教のアビダルマ思想からも直接的な影響を受けており,特に五蘊説についてはヴァスバンドゥ著『五蘊論』の影響を非常に強く受けていることを特定した,ただし,『五蘊論』の五蘊説をそのまま踏襲したわけではなく,『倶舎論』や『阿毘達磨集論』などの影響も受けながら,ボン教独自の五蘊説を構築していったことが分かった.本稿では,インド仏教からの影響という側面に焦点を当てた上で,ボン教五蘊説の独自性ならびに仏教思想との共通性について検証を行った.
Journal
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- Journal of Indian and Buddhist Studies (Indogaku Bukkyogaku Kenkyu)
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Journal of Indian and Buddhist Studies (Indogaku Bukkyogaku Kenkyu) 64 (3), 1192-1199, 2016
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680356950144
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- NII Article ID
- 110010051254
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- NII Book ID
- AN00018579
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- ISSN
- 18840051
- 00194344
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- NDL BIB ID
- 027218974
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- Text Lang
- en
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- Data Source
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