サンスクリット写本NAK3/716 (=NGMPP A48/11)について

  • 倉西 憲一
    The Institute for Comprehensive Studies of Buddhism Taisho University

書誌事項

タイトル別名
  • On the Manuscript NAK 3/716 (NGMPP A48/11):
  • On the Manuscript NAK 3/716 (NGMPP A48/11) : The Sadamnayanusarini, a Commentary on the Samvarodayatantra
  • ―― Samvarodayatantraの註釈書Sadamnayanusarini ――
  • The Sadamnayanusarini, a Commentary on the Samvarodayatantra

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説明

本稿は,まずNepal National Archivesに保管されているサンスクリット写本NAK 3/716(=NGMPP A48/11)に見られる興味深い事柄について考察した.この三四葉から構成されている写本には三種類の文献の写本断片が含まれる.Sadamnayanusarini (SAA)が三二葉,Samvarodaytantra (SUT)が一葉,そして医学書であるSusrutasamhita (SSS)が一葉(表のみ)である.SAA写本の特筆すべき特徴を二点挙げ,考察し,さらにSAAの根本タントラであるSUTおよびSSSの写本断片が混在したのかについて推論した.続いて,SAAについて特徴や内容を紹介した.写本の写真が不明瞭であったために仮題であったSAAの文献名がその冒頭偈に記されていることをつきとめた.さらにSAAと文章構造が似ているRatnaraksitaのPadminiとの関係がそれら類似性だけでなく,SAAがPadminiの縮約であると言う可能性について例文を挙げて提示した.最後に数多くの顕密両文献を駆使してSUTの解説をするSAAが引用する顕教文献・中観派AryadevaのCatuhsataka第12章第18偈を挙げた.本偈はこれまでサンスクリット原文が回収されていなかったが,この発見によって一偈追加されたことになる.

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