土壌水分の変動並に分布 (IV)

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書誌事項

タイトル別名
  • The Variation and Distribution of Soil-water (IV)
  • Change of Soil-water in a Field after Rain
  • 降雨後における畑地土壌水分の変化

説明

この報告は, (1) 北関東 (埼玉県藤沢村櫛挽原開墾地) の畑地 (裸地) ロームで (2) 観測した深さ (約1m) 迄は勿論地下4～5m位迄地下水の影響のない時期 (24.III-24.X) (3) 降雨強張度は畑地の滲透能より小さく, 表面流去はほとんど認められないという事情のもとで行つた観測調査の結果であつて, その要旨は次の如くである。<BR>1) 降雨量R・表層保留量 (初期吸收) Md及び下層保留量M2の相互関係。<BR>表層保留量: 〓<BR>下層保留量: 〓<BR>ここにSa: 假比重W0: 平常保水量, Wb:平衡水分量, Wmax: 水分量の最大, z: 深さ (cm). c=0.1但しSa: 小数w:含水比%z: cm<BR>1-i) R≦Mdなる場合は, 降雨量Rは表層に初期吸收として保留され土壤面蒸発で失われる。<BR>1-ii) R>(Md)maxなる場合は, 初期吸收の最大(M<I>d</I>)maxを超えた水分は下層に滲透し, 下層保留量となり逐次地下水を補給する。初期吸收の大部分は, 土壤面蒸発で失われる。<BR>(Md)maxは表層の深さ(zn)・土性によつて異なるが, 北関東のロームの畑地でzn=30～40cmの所では, (Md)maxであつた.<BR>2) 降雨後晴天が續いた時の表層土壤水分の減少曲線は, 次の実験式で表示される.<BR>地表でWR=W0(1-at)<BR>z=3～30cm WR=W0・e-at但しともにWR≧W0<BR>3) 初期吸收の減少曲線は<BR>Md-(Md)max・e-λt,<BR>(Md)max=30～40mm, λ=0.31/dayで表示される。<BR>4) 夏期降雨後の土壤面蒸発量e (mm/day) 曲線は, 次の実験式で表示される。<BR>e=∂Md/∂t≒8.0・e-0.26t但しe>1.5～1.8mm/day<BR>5) 下層保留量M2の減少曲線の実験式は<BR>M2=0・e-0.46tである。<BR>6) 下層における土壤水分の減少率は, 重力水の範圍で1日約5% (含水比), 懸垂附着水の範圍で1日約2.5%であつた。<BR>7) 平常保水量W0と平衛水分量Wbとの比W0/Wbは, 土性によつて1.3～1.5の範圍に變動するが, 前後のものが多く觀測された。

収録刊行物

  • 農業土木研究

    農業土木研究 21 (3), 174-188, 1953

    社団法人 農業農村工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680372410368
  • NII論文ID
    130004385158
  • DOI
    10.11408/jjsidre1929.21.174
  • ISSN
    18847218
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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