小売業態フォーマットの漸進的イノベーションと持続的競争優位

書誌事項

タイトル別名
  • Incremental Innovation and Sustaining Competitive Advantage in the Format of Retail Types
  • ― クイーンズ伊勢丹の事例研究に基づいて ―
  • Based on the Case Study of Queens Isetan

抄録

本研究では、小売業態研究の中で小売形態ライフサイクルを説明する最近の先行研究に着目し、特定小売企業のイノベーション・プロセスを詳述することで、その理論仮説の検証を試み、合わせて競争優位性とその能力を明らかにする。スーパーマーケット業態の中の高級スーパーグループを選び、その 1 つである三越伊勢丹ホールディングスのスーパーマーケット事業「クイーンズ伊勢丹」の事例研究を行う。1990 年代後半から始まった同事業の漸進的イノベーションは、小売ミックス戦略の差異化を一貫して追求し、ブランド戦略による市場主導型戦略の駆動力となってきた。結論として、上質スーパーマーケットという新たな小売フォーマットの可能性を議論し、その「変化」の能力について考察する。既存の小売業態のなかで、小売業態フォーマットを積極的に変えながら競争優位のポジションを維持し、それが新たな小売業態の破壊的イノベーションを伴う参入を阻止できる可能性を論じる。

収録刊行物

  • 流通研究

    流通研究 17 (1), 75-96, 2014

    日本商業学会

被引用文献 (1)*注記

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