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- 栗山 靖弘
- 筑波大学大学院人文社会科学研究科
書誌事項
- タイトル別名
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- A Mechanism of Course Determination by Admission on Sports Recommendation:
- 強豪校野球部員のスポーツ推薦入試による進学先決定のメカニズム : 部活を通じた進路形成と強豪校の存立基盤
- キョウゴウコウ ヤキュウ ブイン ノ スポーツ スイセン ニュウシ ニ ヨル シンガクサキ ケッテイ ノ メカニズム : ブカツ オ ツウジタ シンロ ケイセイ ト キョウゴウコウ ノ ソンリツ キバン
- 部活を通じた進路形成と強豪校の存立基盤
- Career Formation through a Club Activity and Team’s Existence as a Strong Team
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説明
<p> 高校時代の運動部活動の実績が評価されて大学に進学する人びとがいることを、我々は経験的にも認知しており、スポーツ推薦によって大学に進学するという現象は、特に珍しいものではない。しかし、スポーツ推薦による進学先がどのように決定されるのかというメカニズムに関しては、実証的に明らかにされていない部分が多い。 そこで本稿では、大学入試におけるスポーツ推薦を進路決定の仕組みのひとつと捉え、当該試験を利用した進路形成の特徴を明らかにした。具体的には、ある私立の強豪校野球部を事例とした、スポーツ推薦を利用した進学先決定のメカニズムの解明である。強豪校運動部のスポーツ推薦による大学進学は、高校と大学の指導者間の関係によって規定されており、いわば、指導者の人脈を経由した進学先の決定が行われている。このことを、野球部員と指導者へのインタビュー調査と、部員の進路先が把握可能な個票という、経験的なデータを用いて示した。 はじめに、全国の私立大学におけるスポーツ推薦入試の実施状況を、マクロ・データによって概観し、続いて事例研究から、進学先決定のメカニズムを描き出すという順序をとった。 これらの作業を通じて、強豪校運動部員の進路形成が、部活を通じて行われていることを明らかにした。そして、最後に、部活を通じた進路形成が重視される理由として、その進路形成機能自体が強豪校の存立基盤であることを示した。先行研究では、一般的な学校の運動部活動を成り立たせるのは「子どもの自主性」であるとされてきたが、強豪校を成立させる基盤については明らかにされていなかった。本稿の知見により、強豪校を成り立たせているのは、部活を通じた進路形成機能であることを主張した。</p>
収録刊行物
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- スポーツ社会学研究
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スポーツ社会学研究 25 (1), 65-80, 2017
日本スポーツ社会学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680376737536
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- NII論文ID
- 130005476015
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- NII書誌ID
- AN10536172
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- ISSN
- 21858691
- 09192751
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- NDL書誌ID
- 028132431
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可