陽電子と分子の散乱過程における共鳴状態の可能性を探る

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タイトル別名
  • A Possible Formation of a Resonance State in Positron
  • ヨウデンシ ト ブンシ ノ サンラン カテイ ニ オケル キョウメイ ジョウタイ ノ カノウセイ オ サグル

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抄録

陽電子と原子・分子との散乱過程において共鳴状態の存在を示唆する幾つかの研究が出てきた.(i)陽電子と炭化フッ素分子系との散乱において,我々が見出したポジトロニウム(電子と陽電子の束縛状態:Ps)形成確率の異常な低下現象,(ii)カリフォルニア大学Surkoらによる炭化水素分子系でのポジトロニウム崩壊確率の極度な増加,(iii)オークリッジ米国立研究所のXuらによるPs形成しきい値以下の衝突エネルギーにおける有機多原子分子の解離についての研究である.これら一見直接的つながりがはっきりしない実験結果も,陽電子共鳴状態の存在を仮定して現象を見直すと互いに密に結びついていることに気がつく.陽電子共鳴状態形成の可能性を探る新しい実験法を説明し,共鳴状態形成メカニズムについて,少し大胆な仮説を交えて,これら実験結果についての解釈を試みる.

収録刊行物

  • 日本物理学会誌

    日本物理学会誌 55 (6), 434-438, 2000

    一般社団法人 日本物理学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (13)*注記

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