軽イオン原子核反応における前平衡過程

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タイトル別名
  • Preequilibrium Processes in Nuclear Reactions Induced by Light Ions
  • ケイ イオン ゲンシ カク ハンノウ ニ オケル マエ ヘイコウ カテイ

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抄録

原子核に中高エネルギー(10~50MeV/N)のイオン(原子核)が衝突して核反応が起る場合, その速さが核内核子のフェルミ運動の速さに近くなり, それ以下の入射エネルギーでの核反応と大きく様相を異にする反応過程が現われる. 入射エネルギーが核内に行きわたる以前の前平衡相における核子放出の頻度が高くなり, 蒸発過程とは全く異なる粒子スぺクトルを示す. このような前平衡相状態の研究は, 高励起核内での核子の平均自由行程, 核子間の相関, 核の集団運動など高励起核(高温度核)の性質を調べる上で重要な役割を果たすと思われる. 前平衡相での粒子放出の研究の歴史は浅くその研究手段は確立しておらず, 最近様々な相関測定法により少しずつその性質が明らかにされてきた. ここでは前平衡過程の取扱いやその特徴的な現象について最近の実験を中心に紹介する.

収録刊行物

  • 日本物理学会誌

    日本物理学会誌 37 (7), 543-551, 1982

    一般社団法人 日本物理学会

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