大國魂神社例大祭「暗闇祭」の御先拂太鼓に関する用具論的考察

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タイトル別名
  • The Osakibarai drums in the Kurayami festival at the Ohkunitama shrine

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抄録

本研究は、東京都府中市の大國魂神社の御先拂太鼓を対象として、その実体、保持・運搬用具、演奏方法、太鼓の役割等について検討した。その結果、以下の点が明らかとなった。御先拂太鼓が大型化した要因は、明治初期に祭礼の運営組織を府中四ヵ町に分けたことによって生じた、町内間の対抗心であった。その御先拂太鼓の存在意義は、祭礼の到来を知らせる実用的機能に加え、地域のシンボルであるという社会的役割、さらには音で神輿の道筋を払うという象徴的な機能にある。また、今日、御先拂太鼓が人々に受け入れられている理由として、次の諸要因をあげることができる。ソリッドの木材、麻縄といった伝統的な自然素材を用い、造形美を洗練させたこと。時代・社会の要請に応えて大型化・重量化した太鼓に対応するためにブレーキ付き台車、太鼓を台座から台車に載せ替えるためのクレーンの利用といった用具のシステムをそなえたこと。そうした前提の下で、音の大きさと単純さという根元的な太鼓の魅力を引き出す新しい演奏方法を確立させたことであった。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 47 (6), 31-40, 2001

    一般社団法人 日本デザイン学会

参考文献 (14)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680387600384
  • NII論文ID
    110003824849
  • NII書誌ID
    AN00150292
  • DOI
    10.11247/jssdj.47.31_2
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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