女子大生における「粋」のイメージ構造について : 九鬼周造の粋理論の検討

書誌事項

タイトル別名
  • The Structure of "IKI" Image in Students of a Women's College : An Examination of Kuki's Theory About IKI

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説明

本研究では,江戸時代から使われはじめたという「粋」という言葉の持つイメージが現代の若い女性にどのように受け継がれているのかを探るとともに,九鬼周造の粋理論が彼らにも適用できるのか否かを検討した。粋についての九鬼の考察は,彼自身の注意深い観察と感性から洞察された深い意味を持つものと考えられるが,彼自身の仮説を客観的に検討するということは,あまり行われてこなかった。そこで今回は,粋な柄の代表とされる縦縞模様のワンピースと浴衣を着たモデルに様々なポーズをとらせ、それを写真にしたものをコンピュータ画面上に提示し,SD法を用いて女子学生に評価させることにより,彼の理論を検討してみた。九鬼周造によれば,「粋」は,価値の優劣を表現すると共に,媚態をも表現しているということであったが,実験の結果は彼の理論を概ね支持するものであった。一方,外来語の中では一番「粋」に近い語であると思われた「シックな」は,「粋」よりは,「渋み」に近い意味としてとらえられていることがわかった。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 49 (1), 111-116, 2002

    一般社団法人 日本デザイン学会

参考文献 (6)*注記

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680387707520
  • NII論文ID
    110003825265
  • NII書誌ID
    AN00150292
  • DOI
    10.11247/jssdj.49.111_1
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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