ベイリー・スコットの住宅にみる「私的」住まいの成立過程
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- 吉村 典子
- 宮城学院女子大学
書誌事項
- タイトル別名
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- The Establishment of the "Family House" with Reference to the Work and Architectural Theory of M. H. Baillie Scott
- - from "Hall" to "Living Room"
- ─「ホール」から「リヴィング・ルーム」へ
説明
家は私的なもの、というのは今や自明のことといえるが、イギリスのかつての王侯貴族の住まいは公的要素がむしろ強い。それをモデルとした19世紀後半の中産階級の住まいには、その公的機能から設計された間取りを踏襲している点がみられる。こうした住まいのあり方に、異を唱えた建築家の一人がベイリー・スコットである。家族中心の暮らしの風景を想定する中で、「シンプル」で「ホームリー・コンフォート」のある空間を彼は追求していく。家の中でありながら、伝統的に客のもてなしのために使われた「ホール」、「ダイニング・ルーム」、「ドローイング・ルーム」を、ホールの広い空間的特質を活かして、それを基点にダイニングやドローイング・ルームを融合していく手法等を見せる。そしてそこに「リヴィング・ルーム」という名称が表れるようになる。その過程をスコットの著作や図面を通して明確にし、それにより成立してきた近代の「私的」住まいの形象を考察する。
収録刊行物
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- デザイン学研究
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デザイン学研究 60 (6), 6_11-6_20, 2014
一般社団法人 日本デザイン学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680387960064
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- NII論文ID
- 130004972303
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- ISSN
- 21865221
- 09108173
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可